追求すべきは「責任」か、「原因」か

NHK教育テレビ ETV特集「ドアに潜む危険 〜畑村洋太郎の危険学入門〜」
http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2005/0430.html

「安全の死角をなくすために何ができるのか――」。失敗学の創始者である畑村洋太郎工学院大学教授を中心に、ドアメーカーの技術者、ビルの管理者、医師や法律家たちが「ドア・プロジェクト」を組織し行動し始めた。

 番組では、このプロジェクトの実験や討議を通じて、ドアで事故が起きることに無頓着な日本の技術的・社会的な背景を明らかにする。また独自の取材を通じて、子供や老人などの弱者が犠牲となる「不慮の事故」がいっこうに減らない日本独特の構造と、事故防止の方策を示してゆく。

番組の冒頭で「警察は事件の責任を追及するが、それでは本当の原因が判らず、同じ問題が別の形で再発しかねない」との畑村教授の言葉が印象的だった。

また、子供の死亡原因の第1位は「不慮の事故」である、との言葉に驚いた。同じ過ちが繰り返されている、という。また、一人の死亡事故の陰には数万の小さなけががあるという。

追求すべきは「責任」か、「原因」か。

「責任」の追求は往々にして、本当の「原因」の追求の妨げとなる。